
ネコ伝染性腸炎は伝染病の一種で、成猫なら比較的軽い症状で回復しますが、幼いネコや老猫が感染すると、数日で急激に衰弱して死亡することもある恐ろしい病気です。
この病気の原因となるウイルスは感染力が強いため、しばしば感染して発病します。
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ネコ伝染性腸炎の症状
軽い場合は、軽度の吐き気や下痢が起こるだけで終わることがあります。
しかし重い場合は、激しい吐き気や血便を伴う下痢を起こし、40度を超える発熱がある場合もあります。
このような重い症状が出ると、食欲がまったくなくなり、水を飲むこともできなくなります。
腹痛でお腹をかばうように丸まっていることが多くなります。
吐き気は1日に何度も起こり、水も飲めないため脱水症状が起こってぐったりしてしまいます。
このような場合は体温が下がることが多く、ショック症状を起こしてそのまま死亡してしまうこともあります。
ネコ伝染性腸炎の原因
ネコ伝染性腸炎の原因はネコ汎白血球減少性ウイルスに感染することです。
2~6日の潜伏期間があり、感染すると短期間で発症します。
このウイルスは感染している猫の排泄物、唾液などに含まれていて、これらに接触することで感染します。
このウイルスは生命力が強く、感染力も強いという特徴があります。
ネコの体外でも数か月にわたって生き続けるため、ネコ伝染性腸炎に感染しても感染ルートを特定できないこともあります。
吐き気や下痢が多く、お腹にさわられるのを嫌がるようなそぶりを見せるとネコ伝染性腸炎の可能性があります。
ネコ伝染性腸炎にかかると、血液中の白血球が減少することがあります。
白血球の数は正常な猫の場合、1000分の1㏄の血液中に1万数千個ありますが、ネコ伝染性腸炎にかかると、正常値の半分~1/5以下になります。
白血球の数と病気の重篤度合いは関連はないと言われていますが、白血球が減少すれば病気への抵抗力は下がりますので、白血球が数百個まで減ると症状も重くなる傾向があります。
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ネコ伝染性腸炎の治療
ネコ伝染性腸炎の治療は、水分と栄養をきちんと補給すること。
吐き気や下痢があるので、点滴を行います。
また抗生物質を投与する内科療法を併用します。
抗ウイルス薬であるネコインターフェロンを使うこともあります。
吐き気がひどいときに、ミルクや流動食を口から飲ませようとするとますます吐き気がひどくなるので注意しましょう。
家庭では安静にして腹部を刺激しないようにしましょう。
ネコ伝染性腸炎の予防
ネコ伝染性腸炎は3種混合ワクチンを接種することで予防できます。
ネコ伝染性腸炎は子猫がかかると致死性もあるので、早めに予防接種を受けるように獣医師に相談しましょう。