キャットフードに気を使う猫好きさんなら、一度は「4Dミート」という言葉を目にしたことがあるでしょう。

知らずに食べさせていたけど、もしかしてこのキャットフード、4Dミートが使われているんじゃ・・・?

4Dミートは恐ろしいっていろんなとこで見るけど、そもそも4Dミートってどんなお肉?

4Dミートが使用されたキャットフードを与え続けるとどうなるの?健康を損ねるどころか死んでしまうなんて書いてあるサイトもあるけど・・・

4Dミートを使用したキャットフードを見分けるにはどうすればいいの?

4Dミートについてこんなことを気にしたことがありますか?

4Dミートについては根拠がきわめて怪しい話がたくさんあります。

「4Dミートは危険だ」という意見がある一方で、「特に危険なものではない」という意見もあります。

また、4Dミートに関しては、アメリカ農務省の肉のグレードで最低ランクだとか、4Dミートには交通事故で死んだ犬猫の死体の肉も含まれているという何ともショッキングな噂もあります。

いったい何が本当で、何を信用すればいいのでしょうか?

  • 4Dミートについて正しく知りたい!
  • 4Dミートが使われているキャットフードはどうやって見分ければいいのか知りたい

そんな方はぜひ最後まで読んでください。

では、まいります!

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4Dミートって何?本当にキケンなものなの?

結論から言いましょう。

4Dミートは危険です。

猫さんには4Dミートが使われているキャットフードは絶対に食べさせたくありません。

理由は3つ。

  1. 病気だった動物の肉が使われているため、さまざまな薬剤が残っている可能性があるから
  2. 多量の添加物が使用されている可能性があるから
  3. プリオン病という恐ろしい病気になる可能性があるから

これからこの3つの理由について説明していきますが、その前に「4Dミート」とは何なのか?キャットフードに4Dミートが使われているのは本当なのか?ということについて見ていきましょう。

4Dミートとは?

4Dミートの「4D」とは次の4つの英単語の頭文字をとったものとされています。

4Dミートとは

  • DEAD・・・死亡した動物の肉(と殺ではない)
  • DISEASED・・・病気だった動物の肉
  • DYING・・・死にかけだった動物の肉
  • DISABLED・・・障害(けが)があった動物の肉

余談ですが、4Dミートについて、アメリカ農務省(USDA)が定める肉のグレードの最下位にランクされるものだと説明しているサイトがあります。

しかしこれは正しくありません。

アメリカ農務省(USDA)が定める肉のグレードに「D grade(4Dミート)や「other use(人間が食べることができない)」というランクはありません。

USDAのホームページのどこを見ても、4Dミートについての規定はないのです。

それでは4Dミートという言葉は一体どこから生まれたのでしょうか?

レンダリングとは

4Dミートという言葉について、明確な出どころはいくら調べてもわかりませんでした。

したがって、私の推測になるのですが、4Dミートという言葉はおそらくレンダリング業者を批判する人たちによって言い出されたのではないかと思います。

レンダリングという言葉が出てきましたが、4Dミートについて理解するには、「レンダリング」の話を避けるわけにはいきません。

レンダリング?

なんか難しそう・・・と思いましたか?

しかしレンダリングを知ることで、キャットフードの原材料についての理解を深めることができますので、じっくり読んでみてください。

日々、私たちの食卓にあがる様々な家畜(牛・豚・羊など)のお肉は、屠畜処理して食肉として生産されます。

この過程では必ず内臓、骨、皮それに余分な脂肪など食べられない部分がたくさん出てきます。

これらのものを畜産副産物といいます。食用として販売できない余分の内臓、脂肪、骨など畜産副産物は一括して加熱処理します。

加熱すると脂肪は溶けだします。

その溶けだした脂肪と、その他の固形分(骨など)とに分けます。

脂肪は動物性油脂として食用の調味料や飼料用、工業用製品としてリサイクルされます。

その他の固形分(骨など)はすりつぶしてミール(粉)状にして飼料や肥料として再利用します。

この工程をレンダリングといいます。レンダリングについてはこちらのサイトの説明がわかりやすいです。

●レンダリングは悪ではない

キャットフードを紹介するサイトの中には「レンダリングされた原料は危険」と説明しているサイトもありますが、レンダリング自体は悪ではありません。

むしろ社会にとってなくてはならない産業です。

本当は廃棄物になる部分をリサイクルして資源として利用できるようにしているんですからね。

動物の食べられない部分を他の用途(石鹸・ろうそくなど)に再利用するように加工することは古代から行われていました。

レンダリングの歴史自体はとても古いのです。

4Dミートはレンダリング産業を批判するために生まれた言葉

それではなぜレンダリングされた原料を使ったキャットフードは危険と言う人がいるのでしょうか?

それはレンダリング業者が病気で死んだ動物をレンダリングの材料にしているからです。

このような材料を表す言葉として「4Dミート」という言葉が生まれたのでしょう。

さらに衝撃的な話としては路上で死んだ犬猫の死体や、安楽死させられた犬猫もレンダリングしているという噂があります(噂というよりおそらく真実)。

アメリカのレンダリング業者が安楽死させられた犬猫をレンダリングしてペットフードの材料にしているのは事実のようです。

こちらの動画はアメリカで「Dead Pets Don’t Lie」という本を出版した著者がインタビューを受けている動画です。

アメリカでは 安楽死させられた犬猫の死体や路上で死んでいる犬猫の死体がレンダリングされ、ペットフードの原料にされていると述べています。

遠いアメリカの話と思いますか?

日本でも2014年に毎日新聞にショッキングな記事が掲載されていました。

徳島市、鳴門市、佐那河内村が、路上などで死んだ犬猫の死がいの処理を一般廃棄物処理の認可のない徳島市内の肉骨粉加工業者に委託していた問題で、県は21日開かれた県議会同和・人権・環境対策特別委で、廃棄物処理を適正に行う責任者として陳謝し、同3市村が既にこの業者への委託を中止したことを報告した。

山田豊委員(共産)の質問に、上野秀樹・廃棄物対策課長と橋本保久企画監が答えた。

上野課長は、「これまで相当期間、自治体が業者に委託しており、動物愛護法と廃棄物処理法のどちらで解釈するか問題だったが、(一般廃棄物で扱うべきとの)国の解釈が示された。

これを契機に、市町村での適正な処理が行われるよう指導したい」と答弁。また、橋本企画監は3市村が認可を持つ業者の委託先を探していることも報告した。【鈴木健太郎】

路上で交通事故にあって死んでいる犬猫を見かけたら、あなたはどこに連絡するでしょうか?

多くの人は保健所でしょう。

保健所がそれら犬猫の死体を回収します。

回収されたそれらの死体はどうなるのでしょうか?

表向きは一般廃棄物として焼却処分されることになっています。

しかし、ここで取り上げた記事にあるように、肉骨粉加工業者に処理を委託している自治体があったのです!

肉骨粉加工業者とはすなわちレンダリング業者です。

もちろんこの事実だけで、レンダリングされた犬猫の死体がペットフードの原料になっているとは限りません。

肥料や工業用油脂になっている可能性もありますからね。

しかし、ペットフードの原料にされていないとも言い切れないでしょう。

そして、この出来事が氷山の一角ではないと断言できる人はいるのでしょうか?

他の自治体で行われていないと断言できる人はいるのでしょうか?

なぜこんなことが起こるかというと、ごみ処理業者に処分を依頼するより、レンダリング業者に依頼したほうが安上がりだからでしょう。

こうしてタダ同然(というより処理料をもらっている?)で手に入れた材料で激安キャットフードが出来上がるというわけです。

路上の死体だけでなく、保健所に持ち込まれて殺処分された犬猫ももしかしたら同じ処理をされているかもしれません。

アメリカでそうされているように!

このようなレンダリング業者の不誠実さを批判する言葉として「4Dミート」という言葉が生まれたのではないかと思います。

4Dミートはキャットフードに普通に使われています

実は4Dミートは市販されているキャットフードの多くに普通に使われています。

こちらの図を見てください。

これは農林水産省の「ペットフード用肉骨粉等の取扱いの見直し 」という資料の一部です。

この図を見ればわかる通り、農場で死亡した家畜はレンダリングされてペットフードの原料になることがはっきりと示されています。

なぜ農場で死んだのか?

病気にかかった可能性が高いですよね。

その病気への対策として何かの薬を使っていれば、それはレンダリング時に高温処理されたとしても、そのまま残っていると思いませんか?

病気で死んだ家畜をレンダリングすることは、経済面から考えてしかたないでしょう。

それに病気で死んだ家畜に病原菌やウイルスが存在していたとしても、レンダリング時に高温処理することで、それらの菌やウイルスは死滅します。

しかし、薬剤は高熱でも変性せず、そのまま残る可能性が高いです。

それがペットフードの原料にされているとしたら?

さきほど紹介した動画でも、犬猫を安楽死させるのに使ったペントバルビタールという麻酔薬はレンダリングされてもそのまま残っており、それらの動物をレンダリングして作ったペットフードを食べた犬が病気になったと明言しています。

「こんなのでっち上げじゃないの?」と思う人もいるかもしれませんが、ペントバルビタール入りのペットフードが回収されているのは事実です。

平成30年3月27日に農林水産省はアメリカ食品医薬品局(FDA)が公表した内容をペットフード協会などに情報提供しています。

ペントバルビタール(麻酔剤)が残留する可能性のある犬用ペットフードの自主回収情報-米国・情報提供-

●ペットフード安全法があるから安心?

※この項目はちょっと難しい話になるのでスルーしてもらってもかまいません。

日本でも遅ればせながら2009年に「ペットフード安全法」が施行され、ペットフードへの規制がされるようになりました。

これによって、ペットフード安全法に定めた成分規格及び製造方法に合わない犬及び猫用ペットフードの製造、輸入又は販売は禁止されました。

ペットフード安全法が施行される以前は、何の規制もなかったので、粗悪なキャットフードがあふれていたようです。

今では、日本で販売されているキャットフードはペットフード安全法の規格に合っているということです。

だから市販のキャットフードに4Dミートが使われていても安全だと主張する人がいます。

いや、そもそも、猫の健康に害があるのなら、飼い主がそのフードを作った会社を訴えるだろうから、企業がそんなリスクを冒すはずがない。だから市販のキャットフードは安全だと主張する人がいます。

あなたもそう思いますか?

猫が急性食中毒のような症状を起こして死ぬようなことがあれば、食べたフードが原因ということはわかるでしょう。

そんなときは、そのフードを作った会社を訴えるでしょうね。

しかし、死んだ原因がフードによるものだということがはっきりわかることなんて少ないです。

2007年に中国産のフードにメラミンが混入していた事件のように、フードと死因の関係がはっきりわかることは珍しいです。

粗悪なフードを食べたところで、すぐに健康が害されるわけではありません。

与え続けることで、少しずつ健康が害されていくのです。

例えばあなたが猫に粗悪な激安フードを10年間与えていたとします。

その猫が10歳で死んだとしましょう。

あなたは猫が死んだことをフードのせいにしますか?

しませんよね?

寿命なのかもしれないし、病気だったとしても、それをフードと結び付けて考えないでしょう?

でも、もしかしたら、その猫に優良なフードを与えていれば、もう少し長生きしたかもしれないのです。

もちろん、これは仮定の話であって、与えるフードによって猫の寿命がどれだけ変わるのかなんてエビデンスはありません。

しかし、この20~30年ほどの間に猫の寿命が大きく伸びた最も大きな要因はフードにあるのではないでしょうか?

であれば、与えるフードによって、猫の寿命に差が出てくるとは考えられませんか?

さらに、このことは知っていますか?

牛の飼料としてペットフードを与えることが禁じられていることを。

これは農林水産省が畜産農家へ飼料の適正使用について伝える資料です。

飼料の適正使用について

この資料の中にはこんなことが書かれています。

「安全な畜産物を安定的に供給するためには、畜産農家の皆様が生産段階において、安全な飼料を正しく使うことが重要です。」

そしてペットフードは牛に与えてはダメ。

つまり牛に与える飼料としてペットフードは安全ではないと言っているのと同じことじゃないですか!

この資料で牛に与える飼料を制限しているのはBSE(狂牛病)を防ぐためとされています。

私と同年代の方なら2000年頃に起こった狂牛病騒動をよく覚えていると思います。

(プリオン病の一種とされる狂牛病の恐ろしさについては、あとでわかりやすく説明します。なぜなら粗悪なキャットフードを与え続けることによってプリオン病になる可能性を否定できないからです。)

話を元に戻して、畜産農家に向けたこの資料ではBSEを防ぐために、牛に与える飼料を制限していて、ペットフードは与えてはいけないことになっています。

一方で、こちらの資料を見てください。これも農林水産省が出した「ペットフード用肉骨粉等の取扱いの見直し 」という資料です。

ペットフード用肉骨粉等の取扱いの見直し

冒頭部分にこのような記述があります。

ペットフード用肉骨粉等(肉骨粉、臓器粉ほか)の原料は、BSE 対策の一環として、豚・馬、家きん及び海産哺乳動物のみに由来する残さ等を使用し、反すう動物に由来するたん白質を使用しないよう、レンダリング業者及びペットフード製造業者等の関係者に対して指導通知を発出。

(役所の文章というのはわざとわかりにくく書いているのでしょうか?)

要するにペットフードの原料に牛の肉骨粉は使用してはいけないということです。

(一部修正されて牛の肉粉は一定条件のもとで使ってもよいことになりました)

さて、この2つの資料を見比べてどう考えますか?

牛にはBSE対策のためペットフードを与えてはならない。

しかし、ペットフードはBSE対策がされているのです。

ではなぜペットフードを牛に与えてはいけない?

細かいことを言うと、「ペットフード用肉骨粉等の取扱いの見直し 」の資料は平成25年、畜産農家への伝達文書は平成28年のものです。

つまり、畜産農家にペットフードを与えてはいけないという文書を出したのは、すでにペットフードにBSE対策をするよう業者に連絡した後のことなのです。

これらを総合して考えれば、牛にペットフードを与えてはいけないのは、BSE対策というのは表向き。

役人はペットフードを安全だと認めていないからではないでしょうか?

余談ですが、犬や猫は反すう動物ではありませんので、殺処分された犬猫や、路上で死んだ犬猫をレンダリングして、ペットフードの原料として使用してもペットフード安全法違反にはならないということですね。

動物愛護法違反にはなるのかな?

でも虐待しているわけじゃないしなあ・・・

これらのことを見ても、市販のキャットフードは安全だと言えますか?

多くの業者、そして役所も信用しないほうがよさそうです。

あなたが猫を家族の一員と考えているなら、安全なキャットフード選びは自分で行うべきです。

安全なキャットフードの選び方や与え方については、こちらの記事を参考にしてください。

徹底的にわかりやすい!安全なキャットフードの選び方・与え方【おすすめキャットフードも紹介】

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4Dミート入りのキャットフードを与えてはいけない理由

ここまでで、4Dミートが危険どころか、市販されているキャットフード自体の安全性についても考えなければならないことがわかったと思います。

ここからはまとめとして、私が4Dミートを与えたくない理由を説明していきます。

病気だった動物の肉が使われているため、さまざまな薬剤が残っている可能性がある

まず一つ目の理由は「病気だった動物の肉が使われているため、さまざまな薬剤が残っている可能性がある」ということです。

4Dミートが使用されたキャットフードを与え続けたとしても、栄養失調になることはないでしょう。

市販されているドライフードのほとんどは総合栄養食です。

総合栄養食というのはそのフードと水だけで生きていけるということ。

激安フードにもビタミンやミネラルなども配合されています。

しかし、いくら総合栄養食といっても、4Dミートが使用されていれば、栄養と一緒に健康にダメージを与える物質も摂り入れてしまいます。

4Dミートはレンダリングの過程で高熱処理しますので、この時点で病気だった動物の病原菌などは死滅するでしょう。

しかし病気の対策のために何らかの薬剤が投与されていたとしたらどうでしょう。

また、農場から出荷する前に死んだ家畜もレンダリング業者が引き取りますが、それらの家畜が腐敗しないように腐敗防止の薬剤が大量に使われている可能性も捨てきれません。

これらの薬剤は高熱で処理したとしても変性することなく、そのまま残ります。

怖いと思いませんか?

多量の添加物が使用されている可能性がある

4Dミートを与えたくない理由その2。「多量の添加物が使用されている可能性がある」ことです。

添加物は、保存料、甘味料、着色料、香料など、キャットフードの製造過程で使用されるものです。

アメリカのレンダリング工場周辺の住人はその悪臭に悩まされているそうです。

日本でも同じかもしれません。

この記事で紹介した動画にはアメリカのレンダリング工場の様子が一部紹介されていますので、そこから画像として引用します。

これらは路上で死亡していたり、安楽死させられた犬猫の死体です。

こんな状態で放置されていれば、腐敗防止の薬剤を大量に使っていたとしても悪臭は防げそうにありません。

レンダリングしてキャットフードの材料にするにしても、その悪臭を消すために多量の薬剤が使われていそうですね。

保存料も同じように使われるでしょう。

日本では、ペットフード安全法で添加物の使用基準が決められています。

この中で添加物について定められているのは2種類だけです。

しかし食品衛生法(人の飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止するための法律)で規格や基準が設けられている添加物が1500種類以上あることを考えると、ペットフード安全法の規格はゆるゆるだと思いませんか?

先ほども書きましたが、農林水産省が牛の飼料としてペットフードを与えてはいけないと言っているわけですから、法律があるから安全だなんてまったく言えないでしょう。

猫は本来嗅覚がとても優れている生き物です。

自然界で暮らす猫はネズミや小鳥などの小動物を自力でハンティングして食べますが、病気で死んだ小動物には見向きもしないはずです。

彼らは嗅覚が優れていて、タンパク質(アミノ酸)の臭いには敏感です。

肉はアミノ酸でできているわけですから、おそらく危険な肉は嗅覚で察知するはずです。

しかし危険な肉の臭いが香料で消されてしまっては、さすがの彼らも危険性を察知できないでしょう。

これら添加物がたっぷりと使われ、薬剤が残留しているキャットフードを与え続けるとどのようなことが起こるでしょうか?

4Dミートを与え続けるリスクとしては具体的に次のようなことが考えられます。

●4Dミートの危険性

  • 腎臓病など重篤な病気の危険性
  • アレルギー体質になりやすい
  • 口臭、便臭が強くなる
  • 体重減少
  • 毛並みが悪くなる
  • 便秘

4Dミートは猫さんの健康を害し、結果的に寿命を短くする原因になるかもしれません。

あなたが与えているキャットフードには4Dミートは使われていませんか?

プリオン病という恐ろしい病気になる可能性がある

4Dミートを与えたくない理由その3。プリオン病という恐ろしい病気になる可能性があること。

これは正直なところ、かなり確率は低いと思いますが知っておいたほうがいいでしょう。

プリオン病とは、脳に無数の空胞ができてスポンジ状になり、ほぼ死に至る恐ろしい病気。

2000年代はじめに騒動になったBSE(狂牛病)もプリオン病の一種です。

プリオン病は牛だけでなく、ヒトのクロイツフェルトヤコブ病、ヒツジやヤギのスクレイピー、シカの慢性消耗病などがあり、人間にも感染する病気なのです。

東京大学名誉教授の山内一也氏が人獣共通感染症について述べた資料が日本獣医学会のサイトの中にあります。

こちらの第71回に「プリオン病の出現の背景」という資料があります。

これは1999年の資料ですが、日本でBSEが最初に問題になったのが2001年のこと。

日本で狂牛病が話題になる前に、こんなお話しをされているんですね。

食人習慣の話などショッキングな話もありますが、大変参考になる考察ですので、興味のある方は読んでみてください。

ごく簡単にまとめると、プリオン病(狂牛病)というのは、人間が作り出した病気だということ。

かつてイギリスで羊の近親交配を繰り返した結果、スクレイピーが発生し、それがたまたま牛の餌に混入してBSEが発生します。

そしてBSEに感染した牛をレンダリングして肉骨粉を作り、それを飼料とした牛が感染して狂牛病が広がっていきます。

つまり狂牛病は「共食い」によって広まっていったのです。

さらに、この資料の中には、「英国の家猫もキャットフードからこれまでに77頭が感染した。」という記述があります。

イギリスでは猫もプリオン病に感染していたのです。

この記事の中でも書いていますが、日本には一応ペットフード安全法があり、その法律によると、牛の肉骨粉をペットフードの原料にすることはできません。

さらに日本は2013年にはBSEのリスクを無視できる国として認定されています。

しかし、海外でレンダリングされた原料(ミートミールなど)が輸入されて使われていたら?

アメリカでは犬猫の死体でさえレンダリングします。

4Dミートを与えるということは、もしかすると猫さんに共食いをさせている可能性があるということです。

絶望的な気分になってしまいませんか?

暗い話ばかりになってしまい、中には「そこまで深刻に考えなくていいんじゃないの?」と思う人もいるでしょう。

受け取り方は人によって違うと思いますが、あなたの猫の健康を守れるのはあなたしかいないということは確かです。

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国産と外国産キャットフード、どちらが安全?

国産のキャットフードは危険、外国産のほうが安全と説明しているサイトがあります。

本当でしょうか?

キャットフードを選ぶときの基準のひとつとして「原産国」を見ている人もいるでしょう。

しかし、実際のところ、原産国は気にする意味がほとんどありません。

なぜなら原産国とは最終的にキャットフードをパッケージングした国のことだから。

つまりどこの国で製造された原材料を使っても、最終的にキャットフードとして加工した国が「原産国」として表示されるのです。

中国でレンダリングされた原料も日本でキャットフードとして加工すれば日本産です。

国産と外国産のキャットフードはどちらが安全かという議論自体が意味のないことです。

どこの国で生産されたかということより、どんなメーカーが生産したのかを見極めるほうがよほど意味があります。

キャットフードを作るメーカーがどんな姿勢で生産しているのか?信頼できるメーカーを見極めることが大切です。

4Dミートの見分け方

つい、熱くなってしまい、4Dミートの危険性についての話が長くなってしまいました。しかし、知りたいのは4Dミートが使われている可能性のあるキャットフードをどうやって見分けるかということですよね。

ここからは4Dミートの見分け方について説明します。

4Dミートを使用してもいいの?(表示義務はあるの?)

まずキャットフードのラベルに「4Dミート」という記載は当然ですがありません。

ペットフード安全法でラベルに記載が義務付けられているのは次の項目です。

ペットフードの名称
・賞味期限
・原材料名
・原産国名
・事業者名及び住所

これらを日本語で表示しなければなりません。

また、ペットフード公正競争規約では、第4条でラベルに次のことを表示するように規定しています。

(1) ペットフードの名称
(2) ペットフードの目的
(3) 内容量
(4) 給与方法
(5) 賞味期限
(6) 成分
(7) 原材料名
(8) 原産国名
(9) 事業者の氏名又は名称及び住所

4Dミートを見分けるポイント

4Dミートが使われているかどうかを見分けるにはラベルの「原材料名」に注目します。

この中に「ミートミール」「ミートボーンミール」が含まれていると、4Dミートが使われている可能性が高いです。

では、これら「ミートミール」「ミートボーンミール」とは何か?なぜ危険なのかということについて見ていきましょう。

ミートミール、ミートボーンミールについてわかりやすく解説

ミートミールは日本語で言うと「肉粉」、ミートボーンミールは「肉骨粉」です。

漢字で見るとイメージしやすいですね。

キャットフードを紹介するサイトの中には「〇〇粉」とか「〇〇ミール」とついているフードは危険などと説明しているサイトもありますが、まったくそんなことはありません。

粉末のいりこ出汁ってあるじゃないですか?

いりこってカタクチイワシを乾燥させたものですが、それを粉末にしたのが「粉末いりこ」。

魚の粉なので、英語でいうと「フィッシュミール」です。

これを「危険」だっていう人います?

ミートミール(肉粉)もミートボーンミール(肉骨粉)も本来は危険なものではないのです。

まず、肉粉(ミートミール)と肉骨粉(ミートボーンミール)がどうやってできるか見ていきましょう。

それにはまず、「畜産副産物」について知っておくことが必要です。

●畜産副産物(肉副産物)とは?

畜産副産物(肉副産物)は危険!っていう人もいますが、これもきちんと理解していれば違うということがわかります。

一般社団法人日本畜産副産物協会の次の図がわかりやすいので、これを見ながら説明していきましょう。

(出典:http://www.jlba.or.jp/con05_2.html

牛や豚などの家畜から枝肉(食肉加工場へ出荷される骨付き肉)以外の部分を「畜産副産物」といいます。

畜産副産物から皮を取り除いた部分を畜産副生物(ちくさんふくせいぶつ)といいます。

畜産副生物には私たちが焼き肉屋さんなどで食べるホルモン(モツ・レバーなど)が含まれます。

つまり副生物の中には、人間が食べられる部分と食べられない部分があるんですね。

では人間が食べられない部分をどうするか?

捨てるのでしょうか?

いえ、捨てません。

人間が食べられない脂肪や内臓、骨などにもタンパク質など栄養源が豊富に含まれているので、ペットフードや肥料、飼料などに利用されるのです。

ちなみに、牛、豚、鶏のそれぞれで畜産副産物の割合がどれくらいになるかというと

・牛・・・58%

・豚・・・50%

・鶏・・・50%

となっています。

副産物の割合って結構大きいですね。

そして副生物には栄養豊富な部分が多いのです。

例えば豚レバーの乾物100gの成分組成は次のようになっています。

豚レバーエキスの成分組成(乾物100gあたり)

粗タンパク質83.1g
粗脂肪0.2g
粗灰分7.1g
タウリン0.5g
カルシウム28.2㎎
リン1155.0㎎
ナトリウム998.0㎎
カリウム2017.0㎎
マグネシウム108.0㎎
55.6㎎
2.2㎎
亜鉛29.7㎎
マンガン1.3㎎
コレステロール13.6㎎
ビタミンA38.2IU

(参考:ペットフード・ペットビジネスの動向(普及版)P236)

タンパク質たっぷりで栄養も豊富ですよね。このような副生物をキャットフードに利用するのはむしろ良いことのように思います。

●肉骨粉(ミートボーンミール)とは?

肉骨粉(ミートボーンミール)については、いろいろな説明がされていますが、要するに牛・豚・鶏の「非可食部位をレンダリングして粉状にしたもの」です。

もっと分かりやすく言うと、肉粉と肉骨粉では骨が含まれる割合が違うということ。

●肉粉(ミートミール)とは?

一方、肉粉(ミートミール)は、可食部位をレンダリングして粉状にしたものです。

食べることのできる脂身の部分に熱を加えると、脂は溶けだします。

その脂を絞った残りかすを「獣脂かす(じゅうしかす)」といいます。

「獣脂かす」の状態では油脂分は25~30%です。

「獣脂かす」をさらに絞り、油脂分を18%以下にして細かく砕き、ふるい分けしたものを「肉粉」といいます。

農林水産省の「ペットフード原料としての動物由来物質の取扱いについて」という資料に「獣脂かす」と「肉粉」の定義があります。

簡単に言うと、肉粉(ミートミール)はもともと人間が食べられる部分を粉にしたものです。

同じこの資料の中で、ペットフードに利用する肉粉(ミートミール)は食用脂身のみが原料とされていることという条件があります。

肉粉が本来危険ではないという理由、わかっていただけましたか?

さらに同じ資料の中に、レンダリング業者が肉粉を作るための原料の仕入れ先も指定されています。

これが100%守られていれば、少なくとも牛の肉粉はとても安全なものに思えます。

●家禽ミールとは?

最後に、キャットフードの原材料表示でよく見る「家禽ミール」について。

これは、ミートミールの中で、使っている家畜の肉が鳥類であるものです。

ミートミールとあれば、牛、鶏、豚、羊、やぎなどさまざまな動物の可能性がありますが、家禽ミールとあれば、原料を少なくとも鳥類に限定できます。

ミートミール、ミートボーンミールの不安

この説明を読むと、ミートミールやミートボーンミールは安全と思いますよね。

でも、私は3つの不安を感じています。

ペットフードはペットフード安全法やペットフード公正競争規約で安全性が守られていることになっています。

では、なぜ路上で死亡した犬猫の死体を肉骨粉製造業者が処理するような事件が起こるのでしょうか?

これら法律や規約は本当に順守されているの?というのが第一の不安。

2つ目は輸入原料の不安です。

この記事ではアメリカでの衝撃的なレンダリングの現状も紹介しましたが、アメリカで製造されたミートミール、ミートボーンミールが輸入されて日本で販売されるペットフードの原材料にされた場合、それらは本当に安全なのでしょうか?

3つ目は死亡家畜がレンダリングされることの不安です。

ミートミール、ミートボーンミールという表記されているということは、「何の肉が使われているかわからない」ということです。

とはいえ、「ポークミール」や「ビーフミール」「チキンミール」のように、何の肉なのかわかれば安心かというと、必ずしもそうとは限りません。

死亡した豚を原料にしても「ポークミール」には違いないですからね。

この記事内で説明している通り、肉粉(ミートミール)は人間が食用にできる脂身から製造されることになっていますが、レンダリング業者には農場からの死亡家畜も持ち込まれます。

これら死亡家畜の体に危険な薬剤(ペントバルビタールなど)は残留していないのでしょうか。

病気の家畜を安楽死させるのにペントバルビタールなどの薬剤を使っているかもしれないですよね。

病気になったために、薬剤を使って安楽死させられた豚を原料にしていても「ポークミール」であることは確かです。

しかしここまで言い出すと、キリがありません・・・

結局、何を基準に選べばいいの?

実際のところ、キャットフードのラベルをどんなに詳しく見ても、4Dミートが使われているかどうか確実に判別することはできません。

では、安全なキャットフードを見分ける最大の基準は何なのでしょうか?

現時点で私が考える最大の基準は「ヒューマングレード」であることです。

「人間が食べることができる」というのは、つまり4Dミートを原料にすることはあり得ないということです。

そうなると値段はどうしても高くなってしまいますが、安全なキャットフードを与えたい飼い主さんなら「ヒューマングレード」を基準にすると良いでしょう。

もっといいのは、そのフードを作っているメーカーの姿勢を知ることです。

WEBサイトを見れば、どういう考えでフードを作っているかは記載されています。

その中で「ん?これどういうこと?」と思うことがあれば、電話して聞いてみる。

そのときの対応や答えの内容でもメーカーの姿勢を知る助けになるでしょう。

外国産のキャットフードの場合はメーカーに直接問い合わせるのは難しいので、その場合は輸入代理店や販売店に問い合わせてみればいいでしょう。

キャットフード選びにおいて最も大切なのは、信頼できるメーカーを見つけるということです。

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まとめ

4Dミートが使用されている可能性があるキャットフードは避けましょう。

見分ける一つの手段は原材料に「ミートミール」「ミートボーンミール」が使われていないこと。

さらに「ヒューマングレード」を掲げるフードを選ぶのが安心です。